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kubeadmによるデュアルスタックのサポート
Kubernetes v1.23 [stable]
Kubernetesクラスターにはデュアルスタックネットワークが含まれています。つまりクラスターネットワークではいずれかのアドレスファミリーを使用することができます。 クラスターでは、コントロールプレーンはIPv4アドレスとIPv6アドレスの両方を、単一のPodまたはServiceに割り当てることができます。
始める前に
kubeadmのインストールの手順に従って、kubeadmツールをインストールしておく必要があります。
ノードとして使用したいサーバーごとに、IPv6フォワーディングが許可されていることを確認してください。
Linuxでは、各サーバーでrootユーザーとしてsysctl -w net.ipv6.conf.all.forwarding=1
を実行することで設定できます。
使用するにはIPv4およびIPv6アドレス範囲が必要です。
クラスター運用者は、通常はIPv4にはプライベートアドレス範囲を使用します。
IPv6では、通常は運用者が割り当てたアドレス範囲を使用して、2000::/3
の範囲内からグローバルユニキャストアドレスブロックを選択します。
クラスターのIPアドレス範囲をパブリックインターネットにルーティングする必要はありません。
IPアドレス割り当てのサイズは、実行する予定のPodとServiceの数に適している必要があります。
備考:
kubeadm upgrade
コマンドを使用して既存のクラスターをアップグレードする場合、kubeadm
はPodのIPアドレス範囲("クラスターCIDR")やクラスターのServiceのアドレス範囲("Service CIDR")の変更をサポートしません。デュアルスタッククラスターの作成
kubeadm init
を使用してデュアルスタッククラスターを作成するには、以下の例のようにコマンドライン引数を渡します:
# これらのアドレス範囲は例です
kubeadm init --pod-network-cidr=10.244.0.0/16,2001:db8:42:0::/56 --service-cidr=10.96.0.0/16,2001:db8:42:1::/112
わかりやすいように、主要なデュアルスタックコントロールプレーンノードのkubeadm構成ファイルkubeadm-config.yaml
の例を示します。
---
apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta4
kind: ClusterConfiguration
networking:
podSubnet: 10.244.0.0/16,2001:db8:42:0::/56
serviceSubnet: 10.96.0.0/16,2001:db8:42:1::/112
---
apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta4
kind: InitConfiguration
localAPIEndpoint:
advertiseAddress: "10.100.0.1"
bindPort: 6443
nodeRegistration:
kubeletExtraArgs:
- name: "node-ip"
value: "10.100.0.2,fd00:1:2:3::2
InitConfigurationのadvertiseAddress
は、APIサーバーがリッスンしていることをアドバタイズするIPアドレスを指定します。
advertiseAddress
の値はkubeadm init
の--apiserver-advertise-address
フラグに相当します。
kubeadm
を実行してデュアルスタックコントロールプレーンノードを初期化します:
kubeadm init --config=kubeadm-config.yaml
kube-controller-managerフラグ--node-cidr-mask-size-ipv4|--node-cidr-mask-size-ipv6
はデフォルト値で設定されます。
IPv4/IPv6デュアルスタックの設定を参照してください。
備考:
--apiserver-advertise-address
フラグはデュアルスタックをサポートしません。デュアルスタッククラスターへのノード参加
ノードを参加させる前に、そのノードにIPv6ルーティングが可能なネットワークインターフェースがあり、IPv6フォワーディングが許可されていることを確認してください。
以下は、ワーカーノードをクラスターに参加させるためのkubeadm構成ファイルkubeadm-config.yaml
の例です。
apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta4
kind: JoinConfiguration
discovery:
bootstrapToken:
apiServerEndpoint: 10.100.0.1:6443
token: "clvldh.vjjwg16ucnhp94qr"
caCertHashes:
- "sha256:a4863cde706cfc580a439f842cc65d5ef112b7b2be31628513a9881cf0d9fe0e"
# 上記の認証情報をクラスターの実際のトークンとCA証明書に一致するように変更
nodeRegistration:
kubeletExtraArgs:
- name: "node-ip"
value: "10.100.0.2,fd00:1:2:3::3"
また以下は、別のコントロールプレーンノードをクラスターに参加させるためのkubeadm構成ファイルkubeadm-config.yaml
の例です。
apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta4
kind: JoinConfiguration
controlPlane:
localAPIEndpoint:
advertiseAddress: "10.100.0.2"
bindPort: 6443
discovery:
bootstrapToken:
apiServerEndpoint: 10.100.0.1:6443
token: "clvldh.vjjwg16ucnhp94qr"
caCertHashes:
- "sha256:a4863cde706cfc580a439f842cc65d5ef112b7b2be31628513a9881cf0d9fe0e"
# 上記の認証情報をクラスターの実際のトークンとCA証明書に一致するように変更
nodeRegistration:
kubeletExtraArgs:
- name: "node-ip"
value: "10.100.0.2,fd00:1:2:3::4"
JoinConfiguration.controlPlaneのadvertiseAddress
は、APIサーバーがリッスンしていることをアドバタイズするIPアドレスを指定します。
advertiseAddress
の値はkubeadm join
の--apiserver-advertise-address
フラグに相当します。
kubeadm join --config=kubeadm-config.yaml
シングルスタッククラスターの作成
備考:
デュアルスタックのサポートは、デュアルスタックアドレスを使用する必要があるという意味ではありません。 デュアルスタックネットワーク機能が有効になっているシングルスタッククラスターをデプロイすることができます。よりわかりやすいように、シングルスタックコントロールプレーンノードのkubeadm構成ファイルkubeadm-config.yaml
の例を示します。
apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta4
kind: ClusterConfiguration
networking:
podSubnet: 10.244.0.0/16
serviceSubnet: 10.96.0.0/16
次の項目
- IPv4/IPv6デュアルスタックの検証
- デュアルスタッククラスターネットワークについて読む
- kubeadm構成形式についてもっと詳しく知る