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kubeadmを使用した高可用性クラスターの作成

このページでは、kubeadmを使用して、高可用性クラスターを作成する、2つの異なるアプローチを説明します:

  • 積み重なったコントロールプレーンノードを使う方法。こちらのアプローチは、必要なインフラストラクチャーが少ないです。etcdのメンバーと、コントロールプレーンノードは同じ場所に置かれます。
  • 外部のetcdクラスターを使う方法。こちらのアプローチには、より多くのインフラストラクチャーが必要です。コントロールプレーンノードと、etcdのメンバーは分離されます。

先へ進む前に、どちらのアプローチがアプリケーションの要件と、環境に適合するか、慎重に検討してください。こちらの比較が、それぞれの利点/欠点について概説しています。

クラスターではKubernetesのバージョン1.12以降を使用する必要があります。また、kubeadmを使用した高可用性クラスターはまだ実験的な段階であり、将来のバージョンではもっとシンプルになることに注意してください。たとえば、クラスターのアップグレードに際し問題に遭遇するかもしれません。両方のアプローチを試し、kueadmのissue trackerで我々にフィードバックを提供してくれることを推奨します。

alpha feature gateであるHighAvailabilityはv1.12で非推奨となり、v1.13で削除されたことに留意してください。

高可用性クラスターのアップグレードも参照してください。

注意: このページはクラウド上でクラスターを構築することには対応していません。ここで説明されているどちらのアプローチも、クラウド上で、LoadBalancerタイプのServiceオブジェクトや、動的なPersistentVolumeを利用して動かすことはできません。

始める前に

どちらの方法でも、以下のインフラストラクチャーが必要です:

  • master用に、kubeadmの最小要件を満たす3台のマシン
  • worker用に、kubeadmの最小要件を満たす3台のマシン
  • クラスター内のすべてのマシン間がフルにネットワーク接続可能であること(パブリック、もしくはプライベートネットワーク)
  • すべてのマシンにおいて、sudo権限
  • あるデバイスから、システム内のすべてのノードに対しSSH接続できること
  • kubeadmkubeletがすべてのマシンにインストールされていること。 kubectlは任意です。

外部etcdクラスターには、以下も必要です:

  • etcdメンバー用に、追加で3台のマシン
備考: 以下の例では、CalicoをPodネットワーキングプロバイダーとして使用します。別のネットワーキングプロバイダーを使用する場合、必要に応じてデフォルトの値を変更してください。

両手順における最初のステップ

備考: コントロールプレーンや、etcdノードでのコマンドはすべてrootとして実行してください。
  • CalicoなどのいくつかのCNIネットワークプラグインは192.168.0.0/16のようなCIDRを必要としますが、Weaveなどは必要としません。CNIネットワークドキュメントを参照してください。PodにCIDRを設定するには、ClusterConfigurationnetworkingオブジェクトにpodSubnet: 192.168.0.0/16フィールドを設定してください。

kube-apiserver用にロードバランサーを作成

備考: ロードバランサーには多くの設定項目があります。以下の例は、一選択肢に過ぎません。あなたのクラスター要件には、異なった設定が必要かもしれません。
  1. DNSで解決される名前で、kube-apiserver用ロードバランサーを作成する。

    • クラウド環境では、コントロールプレーンノードをTCPフォワーディングロードバランサーの後ろに置かなければなりません。このロードバランサーはターゲットリストに含まれる、すべての健全なコントロールプレーンノードにトラフィックを分配します。apiserverへのヘルスチェックはkube-apiserverがリッスンするポート(デフォルト値: :6443)に対する、TCPチェックです。

    • クラウド環境では、IPアドレスを直接使うことは推奨されません。

    • ロードバランサーは、apiserverポートで、全てのコントロールプレーンノードと通信できなければなりません。また、リスニングポートに対する流入トラフィックも許可されていなければなりません。

    • HAProxyをロードバランサーとして使用することができます。

    • ロードバランサーのアドレスは、常にkubeadmのControlPlaneEndpointのアドレスと一致することを確認してください。

  2. ロードバランサーに、最初のコントロールプレーンノードを追加し、接続をテストする:

    nc -v LOAD_BALANCER_IP PORT
    
    • apiserverはまだ動いていないので、接続の拒否は想定通りです。しかし、タイムアウトしたのであれば、ロードバランサーはコントロールプレーンノードと通信できなかったことを意味します。もし、タイムアウトが起きたら、コントロールプレーンノードと通信できるように、ロードバランサーを再設定してください。
  3. 残りのコントロールプレーンノードを、ロードバランサーのターゲットグループに追加します。

SSHの設定

1台のマシンから全てのノードをコントロールしたいのであれば、SSHが必要です。

  1. システム内の全ての他のノードにアクセスできるメインデバイスで、ssh-agentを有効にします

    eval $(ssh-agent)
    
  2. SSHの秘密鍵を、セッションに追加します:

    ssh-add ~/.ssh/path_to_private_key
    
  3. 正常に接続できることを確認するために、ノード間でSSHします。

    • ノードにSSHする際は、必ず-Aフラグをつけます:

      ssh -A 10.0.0.7
      
    • ノードでsudoするときは、SSHフォワーディングが動くように、環境変数を引き継ぎます:

      sudo -E -s
      

積み重なったコントロールプレーンとetcdノード

最初のコントロールプレーンノードの手順

  1. 最初のコントロールプレーンノードで、kubeadm-config.yamlという設定ファイルを作成します:

    apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta1
    kind: ClusterConfiguration
    kubernetesVersion: stable
    apiServer:
      certSANs:
      - "LOAD_BALANCER_DNS"
    controlPlaneEndpoint: "LOAD_BALANCER_DNS:LOAD_BALANCER_PORT"
    
    • kubernetesVersionには使用するKubernetesのバージョンを設定します。この例ではstableを使用しています。
    • controlPlaneEndpoint はロードバランサーのアドレスかDNSと、ポートに一致する必要があります。
    • kubeadm、kubelet、kubectlとKubernetesのバージョンを一致させることが推奨されます。
  2. ノードがきれいな状態であることを確認します:

    sudo kubeadm init --config=kubeadm-config.yaml
    

    このような出力がされます:

    ...
    You can now join any number of machines by running the following on each node
    as root:
    
    kubeadm join 192.168.0.200:6443 --token j04n3m.octy8zely83cy2ts --discovery-token-ca-cert-hash    sha256:84938d2a22203a8e56a787ec0c6ddad7bc7dbd52ebabc62fd5f4dbea72b14d1f
    
  3. この出力をテキストファイルにコピーします。あとで、他のコントロールプレーンノードをクラスターに参加させる際に必要になります。

  4. Weave CNIプラグインをapplyします:

    kubectl apply -f "https://cloud.weave.works/k8s/net?k8s-version=$(kubectl version | base64 | tr -d '\n')"
    
  5. 以下のコマンドを入力し、コンポーネントのPodが起動するのを確認します:

    kubectl get pod -n kube-system -w
    
    • 最初のコントロールプレーンノードが初期化を完了してから、新しいノードを参加させることが推奨されます。
  6. 証明書ファイルを最初のコントロールプレーンノードから残りのノードにコピーします:

    以下の例では、CONTROL_PLANE_IPSを他のコントロールプレーンノードのIPアドレスで置き換えます。

    USER=ubuntu # 変更可能
    CONTROL_PLANE_IPS="10.0.0.7 10.0.0.8"
    for host in ${CONTROL_PLANE_IPS}; do
        scp /etc/kubernetes/pki/ca.crt "${USER}"@$host:
        scp /etc/kubernetes/pki/ca.key "${USER}"@$host:
        scp /etc/kubernetes/pki/sa.key "${USER}"@$host:
        scp /etc/kubernetes/pki/sa.pub "${USER}"@$host:
        scp /etc/kubernetes/pki/front-proxy-ca.crt "${USER}"@$host:
        scp /etc/kubernetes/pki/front-proxy-ca.key "${USER}"@$host:
        scp /etc/kubernetes/pki/etcd/ca.crt "${USER}"@$host:etcd-ca.crt
        scp /etc/kubernetes/pki/etcd/ca.key "${USER}"@$host:etcd-ca.key
        scp /etc/kubernetes/admin.conf "${USER}"@$host:
    done
    
注意: 上のリストにある証明書だけをコピーしてください。kubeadmが、参加するコントロールプレーンノード用に、残りの証明書と必要なSANの生成を行います。間違って全ての証明書をコピーしてしまったら、必要なSANがないため、追加ノードの作成は失敗するかもしれません。

残りのコントロールプレーンノードの手順

  1. scpを使用する手順で作成したファイルを移動します:

    USER=ubuntu # 変更可能
    mkdir -p /etc/kubernetes/pki/etcd
    mv /home/${USER}/ca.crt /etc/kubernetes/pki/
    mv /home/${USER}/ca.key /etc/kubernetes/pki/
    mv /home/${USER}/sa.pub /etc/kubernetes/pki/
    mv /home/${USER}/sa.key /etc/kubernetes/pki/
    mv /home/${USER}/front-proxy-ca.crt /etc/kubernetes/pki/
    mv /home/${USER}/front-proxy-ca.key /etc/kubernetes/pki/
    mv /home/${USER}/etcd-ca.crt /etc/kubernetes/pki/etcd/ca.crt
    mv /home/${USER}/etcd-ca.key /etc/kubernetes/pki/etcd/ca.key
    mv /home/${USER}/admin.conf /etc/kubernetes/admin.conf
    

    この手順で、/etc/kubernetesフォルダーに必要な全てのファイルが書き込まれます。

  2. kubeadm initを最初のノードで実行した際に取得したjoinコマンドを使って、このノードでkubeadm joinを開始します。このようなコマンドになるはずです:

    sudo kubeadm join 192.168.0.200:6443 --token j04n3m.octy8zely83cy2ts --discovery-token-ca-cert-hash sha256:84938d2a22203a8e56a787ec0c6ddad7bc7dbd52ebabc62fd5f4dbea72b14d1f --experimental-control-plane
    
    • --experimental-control-planeフラグが追加されています。このフラグは、コントロールプレーンノードのクラスターへの参加を自動化します。
  3. 以下のコマンドをタイプし、コンポーネントのPodが起動するのを確認します:

    kubectl get pod -n kube-system -w
    
  4. これらのステップを、残りのコントロールプレーンノードに対して繰り返します。

外部のetcdノード

etcdクラスターの構築

最初のコントロールプレーンノードの構築

  1. 以下のファイルをetcdクラスターのどれかのノードからこのノードへコピーしてください:

    export CONTROL_PLANE="ubuntu@10.0.0.7"
    +scp /etc/kubernetes/pki/etcd/ca.crt "${CONTROL_PLANE}":
    +scp /etc/kubernetes/pki/apiserver-etcd-client.crt "${CONTROL_PLANE}":
    +scp /etc/kubernetes/pki/apiserver-etcd-client.key "${CONTROL_PLANE}":
    
    • CONTROL_PLANEの値を、このマシンのuser@hostで置き換えます。
  2. 以下の内容で、kubeadm-config.yamlという名前の設定ファイルを作成します:

    apiVersion: kubeadm.k8s.io/v1beta1
    kind: ClusterConfiguration
    kubernetesVersion: stable
    apiServer:
      certSANs:
      - "LOAD_BALANCER_DNS"
    controlPlaneEndpoint: "LOAD_BALANCER_DNS:LOAD_BALANCER_PORT"
    etcd:
        external:
            endpoints:
            - https://ETCD_0_IP:2379
            - https://ETCD_1_IP:2379
            - https://ETCD_2_IP:2379
            caFile: /etc/kubernetes/pki/etcd/ca.crt
            certFile: /etc/kubernetes/pki/apiserver-etcd-client.crt
            keyFile: /etc/kubernetes/pki/apiserver-etcd-client.key
    
    • ここで、積み重なったetcdと外部etcdの違いは、kubeadmコンフィグのetcdexternalフィールドを使用していることです。積み重なったetcdトポロジーの場合、これは自動で管理されます。

    • テンプレート内の以下の変数を、クラスターに合わせて適切な値に置き換えます:

      • LOAD_BALANCER_DNS
      • LOAD_BALANCER_PORT
      • ETCD_0_IP
      • ETCD_1_IP
      • ETCD_2_IP
  3. kubeadm init --config kubeadm-config.yamlをこのノードで実行します。

  4. 表示されたjoinコマンドを、あとで使うためにテキストファイルに書き込みます。

  5. Weave CNIプラグインをapplyします:

    kubectl apply -f "https://cloud.weave.works/k8s/net?k8s-version=$(kubectl version | base64 | tr -d '\n')"
    

残りのコントロールプレーンノードの手順

残りのコントロールプレーンノードを参加させるために、こちらの手順に従います。ローカルetcdメンバーが作られないことを除いて、積み重なったetcdの構築と同じ手順です。

まとめると:

  • 最初のコントロールプレーンノードが完全に初期化されているのを確認します。
  • 証明書を、最初のコントロールプレーンノードから他のコントロールプレーンノードへコピーします。
  • テキストファイルに保存したjoinコマンドに--experimental-control-plane フラグを加えたものを使って、それぞれのコントロールプレーンノードを参加させます。

コントロールプレーン起動後の共通タスク

Podネットワークのインストール

Podネットワークをインストールするには、こちらの手順に従ってください。master設定ファイルで提供したPod CIDRのどれかに一致することを確認します。

workerのインストール

kubeadm initコマンドから返されたコマンドを利用して、workerノードをクラスターに参加させることが可能です。workerノードには、--experimental-control-planeフラグを追加する必要はありません。