コンテナライフサイクルイベントへのハンドラー紐付け

このページでは、コンテナのライフサイクルイベントにハンドラーを紐付けする方法を説明します。KubernetesはpostStartとpreStopイベントをサポートしています。Kubernetesはコンテナの起動直後にpostStartイベントを送信し、コンテナの終了直前にpreStopイベントを送信します。

始める前に

Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:

バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください: kubectl version.

postStartハンドラーとpreStopハンドラーを定義する

この課題では、1つのコンテナを持つPodを作成します。コンテナには、postStartイベントとpreStopイベントのハンドラーがあります。

これがPodの設定ファイルです:

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: lifecycle-demo
spec:
  containers:
  - name: lifecycle-demo-container
    image: nginx
    lifecycle:
      postStart:
        exec:
          command: ["/bin/sh", "-c", "echo Hello from the postStart handler > /usr/share/message"]
      preStop:
        exec:
          command: ["/usr/sbin/nginx","-s","quit"]

設定ファイルでは、postStartコマンドがmessageファイルをコンテナの/usr/shareディレクトリに書き込むことがわかります。preStopコマンドはnginxを適切にシャットダウンします。これは、障害のためにコンテナが終了している場合に役立ちます。

Podを作成します:

kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/lifecycle-events.yaml

Pod内のコンテナが実行されていることを確認します:

kubectl get pod lifecycle-demo

Pod内で実行されているコンテナでシェルを実行します:

kubectl exec -it lifecycle-demo -- /bin/bash

シェルで、postStartハンドラーがmessageファイルを作成したことを確認します:

root@lifecycle-demo:/# cat /usr/share/message

出力は、postStartハンドラーによって書き込まれたテキストを示しています。

Hello from the postStart handler

議論

コンテナが作成された直後にKubernetesはpostStartイベントを送信します。 ただし、コンテナのエントリーポイントが呼び出される前にpostStartハンドラーが呼び出されるという保証はありません。postStartハンドラーはコンテナのコードに対して非同期的に実行されますが、postStartハンドラーが完了するまでコンテナのKubernetesによる管理はブロックされます。postStartハンドラーが完了するまで、コンテナのステータスはRUNNINGに設定されません。

Kubernetesはコンテナが終了する直前にpreStopイベントを送信します。 コンテナのKubernetesによる管理は、Podの猶予期間が終了しない限り、preStopハンドラーが完了するまでブロックされます。詳細はPodのライフサイクルを参照してください。

次の項目

参照